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プロジェクトを成功に導くために必要な課題管理とは〜その1〜
Webサイトのプロジェクトを進めるにあたって、課題管理の重要性を日々感じています。
プロジェクト進行中に以下のような状況を目の当たりにしたことはありませんでしょうか。
以前、プロジェクト計画書の記事の中で課題管理について触れましたが、今回の記事ではその「課題管理」にフォーカスしたいと思います。課題を適切に管理できないと、プロジェクト進行中にトラブルが発生したり停滞したりする可能性があります。課題を適切に管理できれば、プロジェクト進行を円滑にすることも可能です。
Web制作における経験則も交えつつ、プロジェクトマネジメントに関する知識を体系的にまとめたPMBOK(ピンボック)も参考に、なぜ課題管理をするのか、どうやって管理するのかを紹介します。
1. 「課題」とは(「問題」と「課題」の違い)
「課題管理」に触れる前に、そもそも「課題」とは何なのでしょう。ビジネスや日常生活においては、あまり意識せずに「問題」や「課題」という言葉を使ってしまうことも少なくないかと思います。まずは「問題」と「課題」の違いを紹介します。
問題と課題の違いとは何なのかを一言で説明すると以下です。
●問題:理想と現実のギャップの状態
●課題:「問題」を解決をするための手段
もう少しビジネスっぽさを足してみると以下です。
●問題:目標とする「あるべき/理想の姿」と現状との間に生じる差(ギャップ)のことです。
目標達成のために、解決しなければならない事柄を指します。
●課題:目標とする「あるべき/理想の姿」と現状とのギャップを埋めるために、やるべきことです。
問題を解決するために起こす具体的なアクションを指します。
言葉の説明をした上でWebサイトにおける例をあげてみたいと思います。
【Webサイトのお問い合わせの数】
- 目標:毎月10件のお問い合わせ - 現状:毎月5件程度のお問い合わせ - 問題:目標よりも5件ほど少ない - 課題:入力項目を最適化するためにEFOツールを導入する問題は、「目標より5件ほど少ない」という目標(理想の状態)と現状の差を指します。一方で課題は、「入力項目を最適化するためにEFOツールを導入する」です。問題をどのような方法で解決して差を埋めるのかという解決策と同義です。
プロジェクトでは何のためのプロジェクトなのか、つまり何らかの目標(目的・ゴール)が設定されます。その目標を達成するためには、その途中で起こる「問題」を明らかにして、プロジェクトメンバーがその問題を解決するための「課題」を抽出・実行することが大切です。「問題」と「課題」の言葉の意味を理解した上でその対象を明確にすることを心がけましょう。
2. 「課題管理」とは
言葉の意味を紹介した上で、「課題管理」とは何かを紹介します。
プロジェクト進行中は必ずと言っていいほど、予測していなかった問題や次にするために対処しなくてはならない課題に直面します。その課題を解決する適切なアプローチは課題ごとに異なります。
「課題管理」とは、プロジェクト発足時に定義したスケジュールやスコープ、タスク、予算、ゴールなどを計画通りに進める際に、生じる(た)問題を的確に把握し、その問題を解消するためにやるべきこと/やると決めたことに整理分解し、プロジェクト関係者がそれらの対応状況を把握しやすいように管理していくことです。
Webサイトのプロジェクトで言えば、ディレクターやデザイナー、エンジニア等の制作メンバーメンバーに加えて、クライアント担当者、その上司、外部パートナーなど様々な職種・立場の人たちが関わります。プロジェクトの規模感も大きくなればなるほど利害関係者や、フェーズも増えて、粒度関わらず様々な課題が発生します。発生した課題を記録しないまま進行したり、その場限りで確認・完了にしてしまうと、後々大きな問題に発展しかねません。特にプロジェクトの中盤以降の開発フェーズでは込み入った課題が多くなるため管理することが重要です。検証やバグ対応、変更事項の調整など判断・確認が必要になるタスクをもれなく管理するため、次の「課題管理表」がとても役に立ちます。
次回の記事では、PMBOKにおける課題管理の意義やポイント、それを参考にした課題管理表の作成方法を紹介します。
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